環境研究総合推進費 戦略的研究開発課題(S-21)

シナリオと介入策の組合せと評価手法の開発

テーマ2 シナリオと介入策の組合せと
評価手法の開発

テーマリーダー

齊藤 修
公益財団法人地球環境研究戦略機関(IGES) 生物多様性と森林領域 上席研究員

研究概要

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)のNature Futures Frameworkを踏まえて、プロジェクト全体で用いる複数の将来シナリオ(目標年次2050年)を作成し、シナリオ毎の直接要因と間接要因の基本フレーム(人口・国土利用・産業)、介入策の組合せを検討する。

成果目標

  • 気候変動分野の既存シナリオ(SSP)、IPBESのNature Futures Framework (NFF)、環境研究総合推進費S-15でのシナリオ将来シナリオを踏まえて、プロジェクト全体で用いる複数の将来シナリオ(目標年次2050年)を作成する。
  • 統合評価モデルを使って全国スケール及び地域スケールでのシナリオ分析を行うためのベースとなるシナリオ毎の直接要因と間接要因の基本フレーム(人口・国土利用・産業)、介入策の組合せを他のテーマに提供する。具体的には、①人口動態、経済・産業活動施策群(国際貿易含む)、②国土・インフラ(防災・減災を含む)施策群、③再生可能エネルギー・緩和関連施策群、④フードシステムを軸とするライフスタイル関連施策群を対象として、シナリオ毎の政策オプション(介入策)の組合せをシナリオ分析共通の手続きで明示する。
  • シナリオ探索・ネクサス可視化ツール及び情報プラットフォームを開発・運用する。
  • プロジェクト全体の研究成果を広く社会と共有し、行動変容を促すための国民との対話(市民会議等)、企業向けセミナー、メディア連絡会を開催する。
  • テーマ1と連携して統合評価モデルの海外展開(主にアジア地域展開)を行う。

サブテーマ2-(1) 将来シナリオと介入策の組合せの作成・国際展開

研究概要・目標

  • 本サブテーマは、テーマ4と5と連携して全国と地域スケールでの現状維持(BaU)と複数の将来シナリオを設計し、シナリオ毎のストーリーラインに応じた人口動態、経済・産業構造、国土・インフラ、再生可能エネルギー、ライフスタイル関連施策の組合せを提案する。
  • プロジェクト全体の研究成果を踏まえた政策立案支援と情報発信・公開を効果的に進めるためのシナリオ探索・可視化ツール及び情報プラットフォームを開発・運用する。
  • テーマ1と連携して主にアジア地域を対象として統合評価モデルのトレーニングプログラムの開発・運用を通して海外展開を図る。

研究メンバー

代表者:齊藤 修 (地球環境戦略研究機関(IGES) 上席研究員)
分担者:譚  瀟洋(地球環境戦略研究機関(IGES) 研究員)
    岡野 直幸(地球環境戦略研究機関(IGES) 研究員)
    高橋 康夫(地球環境戦略研究機関(IGES) リサーチマネジャー)
    三輪 幸司(地球環境戦略研究機関(IGES) 研究員)

将来シナリオと介入策の組合せの作成・更新
▲IPBESのNature Futures Framework (NFF)とS15(PANCES)シナリオの関係模式図
政策支援ツール・情報プラットフォーム開発
▲政策支援ツール・情報プラットフォーム開発

サブテーマ2-(2) 人口・国土・インフラの将来シナリオと介入策

研究概要・目標

  • 生物多様性と気候変動の統合評価モデルへのインプットとして利用可能な人口分布の複数シナリオを構築し、定量情報を整備するとともに、国土・インフラの変化を考察・検討する。
  • 他テーマとの連携により、グレー・グリーンインフラの状況、都市・農山漁村の関係、防災・減災等といった施策群を対象としたシナリオ分析を推進する。

研究メンバー

代表者:松橋 啓介(国立環境研究所(NIES)社会システム領域地域計画研究室 室長)
分担者:有賀 敏典(千葉大学 准教授)
    芦名 秀一(国立環境研究所(NIES)社会システム領域脱炭素対策評価研究室 室長)

国土利用を含む改訂版シナリオと介入策の構築
▲国土利用を含む改訂版シナリオと介入策の構築
▲空き地と放棄地の見積のため、建物数と世帯数の関係を考察:3地域を対象に、メッシュ単位の建物戸数(2014~2022)と世帯数(2015~2020)の変化率等をプロット

サブテーマ2-(3) ライフスタイルの将来シナリオと介入策

研究概要・目標

  • 本サブテーマでは、「フードシステムを軸とするライフスタイル関連施策群」を取り扱うアクションリサーチを実施する。
  • Nature Future Frameworkと整合し、Nature Positive及び気候変動緩和に寄与するライフスタイル(とくに食生活)への転換を示す概念を、各国・地域の多様性や、健康や経済等の面で脆弱な人々への影響も含む形で整理し、指標とともに提案する。
  • 食の生産・流通・消費の転換に関する国、地域やビジネス、市民社会の取り組みを分析し、各国・地域の多様性に配慮しながら、Nature Positive及び気候変動緩和に寄与する食生活の転換を実現する介入策をデザイン・実施・モニターするアプローチを構築、地域で実証し、実証結果を反映して統合プログラムとして提案する。

研究メンバー

代表者:渡部 厚志 (地球環境戦略研究機関(IGES) プログラムディレクター)
分担者:劉  晨  (地球環境戦略研究機関(IGES) リサーチマネージャー・主任研究員)
    粟生木 千佳(地球環境戦略研究機関(IGES) 副プログラムディレクター)
    山辺 アリス(地球環境戦略研究機関(IGES) 研究員)
    山ノ下 麻木乃(地球環境戦略研究機関(IGES) ジョイント・プログラム・  ディレクター)

サブテーマ2-(3)の研究内容-概念化・指標の検討
▲概念化・指標の検討
サブテーマ2-(3)の研究内容-介入策設計・実施・評価
▲介入策設計・実施・評価

サブテーマ2-(4) 社会・消費・産業のネクサス構造の可視化と介入策

研究概要・目標

  • 生物多様性に関わる社会(国土・インフラ)、消費(ライフスタイル・行動変容)とサプライチェーンを通じた生産(産業活動)との関連(ネクサス)を定量的に分析するフレームワークを構築する。
  • 各要素の将来シナリオに応じて介入策により社会変革を効果的に促すための鍵となるセクター・活動を特定する。
  • ネイチャーポジティブに向けて生物多様性に関わる複数の環境問題(気候変動、土地利用、自然資源消費など)の連関を複合的に捉えたネクサス構造の可視化方法の開発と介入策の導入効果を予測評価する。
  • 開発したネクサス構造の評価方法の民間企業への適用可能性をいくつかの代表的な産業セクターで検証する。

研究メンバー

代表者:本下 晶晴  (産業技術総合研究所エネルギー・環境領域安全科学研究部門 グループ長)
分担者:横井 崚佑  (産業技術総合研究所エネルギー・環境領域安全科学研究部門 研究員)
    Kamrul Islam(産業技術総合研究所エネルギー・環境領域安全科学研究部門 研究員)
    金本 圭一朗 (東北大学大学院環境科学研究科 准教授)
    伊坪 徳宏  (早稲田大学創造理工学部環境資源工学科 教授)

地域ごとの特性も踏まえたネクサス構造分析フレーム
地域ごとの特性も踏まえたネクサス構造分析フレーム
環境容量評価指標の開発
▲環境容量評価指標の開発
介入策の効果分析と改善ポイントの特定
▲介入策の効果分析と改善ポイントの特定

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