環境研究総合推進費 戦略的研究開発課題(S-21)

研究概要

研究の背景

  • 生物多様性の損失は、主に陸域や海域の利用改変、生物の直接採取、気候変動といった直接要因によって引き起こされるが、その背後にある人間の価値観・行動、それに基づく社会経済活動といった間接要因にまで踏み込み、社会変革を図る必要がある。(例:IPBES地球規模評価書、JBO3)
  • IPBES-IPCCのレポートにおいて、気候変動が生物多様性の主要な損失要因であると同時に、気候変動対策が生物多様性に影響するといったトレードオフ関係や、生態系が有する緩和機能の維持・向上がカーボンニュートラル実現に貢献するといったシナジーの関係が強調された。
  • 昆明・モントリオール生物多様性枠組でも、目標3で陸域・海域の30%を保護地域とする30 by 30、保護地域以外の生物多様性保全に資する区域(OECM)、気候変動対策と生物多様性保全のシナジー・トレードオフについて具体的な取組が求められている。

研究の目的

既存の気候変動対策のための統合評価モデル、生物多様性、気候変動及び他の社会経済的要因を統合的に扱い、対策の効果を定量的に評価するための統合評価モデルを構築することを目的とする。

研究の内容とテーマ

  • 生物多様性、気候変動及び他の社会経済的要因を統合的に扱い、各種対策の効果を定量的に評価するための統合評価モデルを構築する。
  • 統合評価モデルは、全国スケールと地域スケールのマルチスケールで構築し、その上で、科学的に検証可能なシナリオ分析に基づいて、地域循環共生圏や持続可能な日本社会の実現に貢献するための道筋を提示する。
  • IPBES、IPCC、TNFD、SDGsや生物多様性分野での地球規模の後継目標設定に関する議論に科学的な根拠をベースとして貢献する。

テーマ1 : 社会・生態システムの統合評価モデル構築

テーマ2 : シナリオと介入策の組合せと評価手法の開発

テーマ3 : 価値・行動・文化と生物多様性の相互関係分析

テーマ4 : 統合評価モデルとの連携による全国スケールでのシナリオ分析と社会適用

テーマ5 : 地域スケールの生物多様性と社会経済的要因からなる統合評価・シナリオ分析と社会適用

環境政策等への貢献

研究成果は、国及び地域の生物多様性戦略・関連政策、環境基本計画、国土利用計画等の見直しとともに、生物多様性と気候変動に関する国際的な科学的アセスメントと国際政策に活用する。

プロジェクトの全体構成

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プロジェクトの工程

プロジェクトの工程

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