環境研究総合推進費 戦略的研究開発課題(S-21)

価値・行動・文化と生物多様性の相互関係分析

テーマ3 価値・行動・文化と
生物多様性の相互関係分析

テーマリーダー

深町 加津枝
京都大学大学院地球環境学堂 准教授

研究概要

日本の様々なランドスケープにおけるライフスタイルや価値観の投影としての生物多様性・生物文化多様性の関係を視覚化・類型化し、地域の生物多様性と社会経済の相互関係を明らかにする。

成果目標

  • 日本の様々なランドスケープにおけるライフスタイルや価値観の投影としての生物多様性、生物文化多様性の関係を視覚化、類型化し、地域の生物多様性と社会経済の相互関係を明らかにする。
  • 人々が自然に見い出す価値とその背景は何か、ランドスケープが変わることによってそうした価値やその分布がどのように変化していくのか、そうした価値を高めるためにはどのような施策が重要となるか明らかにする。
  • 個の多様性と集合性に着目し、複数の価値の競合と交渉のメカニズムを明らかにした上で、価値アセスメントの理論的枠組みを具体化するとともに、価値の共創を可能にし、主体の変容を促す教育実践を地域社会とコデザインする。
  • 価値観の地域差、個人属性による差を多角的に把握する定量尺度を開発し、尺度と社会文化・生態系との関連を可視化し、制度・教育を通じた価値観の変容が、人々の行動を通じて社会文化・生態系に働きかける作用を実証的に明らかにする。
テーマ3のサブテーマ構成

サブテーマ3-(1) 自然がもたらす多様な地域文化と生物多様性

研究概要・目標

  • 本サブテーマは、テーマ4と5と連携して全国と地域スケールでの現状維持(BaU)と複数の将来シナリオを設計し、シナリオ毎のストーリーラインに応じた人口動態、経済・産業構造、国土・インフラ、再生可能エネルギー、ライフスタイル関連施策の組合せを提案する。
  • プロジェクト全体の研究成果を踏まえた政策立案支援と情報発信・公開を効果的に進めるためのシナリオ探索・可視化ツール及び情報プラットフォームを開発・運用する。
  • テーマ1と連携して主にアジア地域を対象として統合評価モデルのトレーニングプログラムの開発・運用を通して海外展開を図る。

研究メンバー

代表者:深町 加津枝(京都大学 准教授)
分担者:西 麻衣子 (国際連合大学サステイナビリティ高等研究所​​ リサーチ・フェロー​​)
    古川 拓哉 (森林総合研究所 研究員)
    王  聞  (京都大学 特定研究員)
    大原 歩  (京都大学 技術補佐)
    中井 美波 (京都大学 技術補佐)

サブテーマ3-(1)の研究内容
▲サブテーマ3-(1)の研究内容
生物多様注に支えられた伝統知・地域知と地域文化に関するデータ分析
▲生物多様性に支えられた伝統知・地域知と地域文化に関するデータ分析
ライフスタイル・価値観の投影としての生物多様性・生物文化多様性の関係性の可視化・類型化
▲ライフスタイル・価値観の投影としての生物多様性・生物文化多様性の関係性の可視化・類型化
地域の生物多様性と社会経済の相互関係の事例研究
▲地域の生物多様性と社会経済の相互関係の事例研究

サブテーマ3-(2) 自然がもたらす価値とその背景要因

研究概要・目標

  • 生物多様性と気候変動の統合評価モデルへのインプットとして利用可能な人口分布の複数シナリオを構築し、定量情報を整備するとともに、国土・インフラの変化を考察・検討する。
  • 他テーマとの連携により、グレー・グリーンインフラの状況、都市・農山漁村の関係、防災・減災等といった施策群を対象としたシナリオ分析を推進する。

研究メンバー

代表者:竹内 憲司(京都大学大学院地球環境学堂 教授)
分担者:栗山 浩一(京都大学大学院農学研究科 教授)
協力者:京井 尋佑(総合地球環境学研究所 研究員)

サブテーマ3-(2)の研究内容
▲サブテーマ3-(2)の研究内容

サブテーマ3-(3) 生物多様性に関する価値の協働創出と参加型教育デザイン

研究概要・目標

  • 本サブテーマでは、「フードシステムを軸とするライフスタイル関連施策群」を取り扱うアクションリサーチを実施する。
  • Nature Future Frameworkと整合し、Nature Positive及び気候変動緩和に寄与するライフスタイル(とくに食生活)への転換を示す概念を、各国・地域の多様性や、健康や経済等の面で脆弱な人々への影響も含む形で整理し、指標とともに提案する。
  • 食の生産・流通・消費の転換に関する国、地域やビジネス、市民社会の取り組みを分析し、各国・地域の多様性に配慮しながら、Nature Positive及び気候変動緩和に寄与する食生活の転換を実現する介入策をデザイン・実施・モニターするアプローチを構築、地域で実証し、実証結果を反映して統合プログラムとして提案する。

研究メンバー

代表者:福永 真弓(東京大学社会文化環境学専攻 准教授)
分担者:落合 知帆(京都大学大学院地球環境学堂 准教授)
    石原 広恵(東京大学新領域創成科学研究科 准教授)

サブテーマ3-(3)の研究内容
▲サブテーマ3-(3)の研究内容

サブテーマ3-(4) 複数の価値観と行動の諸側面の関係の可視化

研究概要・目標

  • 生物多様性に関わる社会(国土・インフラ)、消費(ライフスタイル・行動変容)とサプライチェーンを通じた生産(産業活動)との関連(ネクサス)を定量的に分析するフレームワークを構築する。
  • 各要素の将来シナリオに応じて介入策により社会変革を効果的に促すための鍵となるセクター・活動を特定する。
  • ネイチャーポジティブに向けて生物多様性に関わる複数の環境問題(気候変動、土地利用、自然資源消費など)の連関を複合的に捉えたネクサス構造の可視化方法の開発と介入策の導入効果を予測評価する。
  • 開発したネクサス構造の評価方法の民間企業への適用可能性をいくつかの代表的な産業セクターで検証する。

研究メンバー

代表者:松下 京平 (滋賀大学経済学系 教授)
分担者:森 宏一郎(滋賀大学経済学系 教授)
    山根 史博 (広島市立大学 准教授)
    法理 樹里 (農林水産政策研究所 主任研究官)
協力者:京井 尋佑 (総合地球環境学研究所 研究員)

地方創生や地域循環共生圏の実現に関わる価値観
▲地方創生や地域循環共生圏の実現に関わる価値観
価値観の定量的尺度の開発
▲価値観の定量的尺度の開発
価値観と生業・生活様式ならびに環境配慮
▲価値観と生業・生活様式ならびに環境配慮

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